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【COLUMN】ゾンフォーコラム5月号 / 投稿者 : ゾンフォー森

ゾンフォー森の5月号は、
『これば聴がせねど糞して寝らんね hokousya編』
つまり、hokousyaを聴かせないとウンコして寝れないわ私ってことです。

春の嵐がゾンフォー鈴木家の車庫を吹き飛ばしました(実話)
同じく私はリトルウィングスの鎌倉公演を吹き飛ばされ完全なる白目でございます(実話)
少し前の話ですが皆様、無事ですか?
今回は3/30に完全受注生産発売という形でリリースした『hokousya』の特集です。

2月号ではDJ CAT FOODを全曲無料配信したことを長々と書かせていただきました
http://qqqqqurage.exblog.jp/17511926/



▼『完全受注生産発売』という一対一での向き合い方

そしてゾンフォーは3月も初めてのリリース方法に挑戦しました。サブタイトルにもなっております『完全受注生産発売』というリリース方法。

これは簡単に言うと、鈴木(hokousya)になんらかの方法(メール、ハガキ、口頭、自宅 etc...)でコンタクトをとってくれた人にだけ作って販売しますよ、というやり方。あらかじめ作って告知するのではなく、連絡をもらった時点でその人の為だけに作り始めるという一対一方式。

なのでレコ屋に並ぶこともなければ、ディストロで出回ることもない。鈴木を通す以外に手に入れる方法はないということ。

どう捉えるかは自由なのだけど、届く範囲は確実に狭いっていうのは目に見えてわかるしゾンフォーやhokousyaのことを知らない人には高確率で一生届かないと思う。ならば、どうして鈴木は自分のベストとも言える1st albumをそんなリリース方法で発表することに決めたのか。

それは、彼がバカだからである。

配信が主流とも言える昨今の音楽事情、それはとても自由で制御が効かないほどの広がりを見せている。好きな音楽がそこらじゅうに転がっており、嫌いな音楽は試聴して省かれる。

インディーとメジャーという括りはどんどん意味を持たなくなってきているのが現状だけど、まだまだメジャーのお金を使った宣伝効果には太刀打ちできないのも事実。でもインディーズはインディーズの自由なスタイルを生かし、ソーシャルメディアを駆使することでバンド単体で企画を打ち出し自ら発信するという自由なスタイルが益々強度を増してきている。それと同時に行動力やアイデアを形にできないと例え良質なバンドであっても埋もれてしまうのが現実かもしれない。

hokousyaはそんな時代に1st albumをリリースした。インディーズという自由で縛られない環境化でhokousya鈴木は自分とリスナーが一番納得できる方法というものを探したに違いない。そこの判断や決断っていうのが面白いところだし、そこで勝負することに醍醐味を感じる。

hokousyaは1ツイートで100枚動く宣伝効果などなく、100ツイートして1枚というレベルかもしれない。そこで同じように対抗しても意味がないし、めちゃくちゃにつまらない。だからこそ完全受注生産という『一対一』というやり方を選んだのではなかろうか。

今はアーティストにフィットしたリリース方法っていうのを探し出して自分で打ち出せる時代。1,000枚売りたいアーティストもいれば、50枚だけ丁寧に売りたいアーティストがいてもいいはずで。とにかく面白ければ面白いほどいいに決まってる。それができるのが今だったら今やったほうがいいと思う2012年5月、鈴木は鈴木のやり方で発信した。


▼ゾンフォー森(Qurage)がhokousyaを語る

遂に発売となったhokousyaのベスト盤とも言えるアルバム『hokousya』。
CDではなくCD-Rとしての発売、そして完全受注生産という欲しい人だけに渡るシステムでのリリース。
ゾンフォーを主催する1人、という顔よりも古い『hokousya』という音楽プロジェクト。
3/30の発売に先駆けて聴かせてもらった率直な感想を綴りたいと思います。

僕の携帯には「鈴木」でもなく「まさかず」でもなく「DJホームレス」でもなく『ほこうしゃ君』と登録されている。大体が最初に打ち込んだ名前を変えることなく、今もそのままの名前で使っている。出会ったときに打ち込んだままの"君"付けで登録されているのだ。今も鈴木に電話するときは「ほ」の電話帳欄を探す。

鈴木と出会ったのはライブハウスで、彼はhokousya、僕はQurageとして山形SANDINISTAのイベントに出ていた。共通点はshiftのユーキさんの友達ということだった。鈴木はユーキさんと地元が同じというだけあって昔からの先輩後輩という仲。共に地元長井への愛は相当なもので今となっては縄文の村で『ぼくらの文楽』というフェスまで開催してしまったぐらいだ。そんなユーキさんからは事前に「hokousyaってやつがいてよ〜けっこういいから一緒にやるべ」と誘われていたのを覚えている。

SANDINISTAで会ったときの印象とかは全く覚えてないけど、hokousyaの音楽には惹かれるものがあった。とにかくトラックがカッコよかったし何やってるのかわからないプレイスタイルが当時ボアダムス狂だった自分にはジャストミートだった。ライブが終わって打ち上げの席で隣になって最初の第一声は「何歳ですか?」だったと思う。そして同い年という事実を知りお互いの距離が一気に縮まったように思う。このとき同い年で音楽活動している友達が本当に少なかったからか嬉しい気持ちでいっぱいだった。鈴木もまた同じ状況だったそうだ。

それからは自分がライブするときもライブを見に行っただけの日も必ずと言っていいほどバッタリ会うようになった。音楽の趣味もあえば考えてることも最高にバカげてる。山形発のレーベルをやりたいと思っていたが踏み出せない自分がいて、踏み込むにはこいつが必要だと日が経つにつれて思うようになっていた。

ある晩、電話で鈴木に電話してレーベルを一緒にやりたい主旨を伝えた。一発でオッケーが出たときは嬉しかった。これからは独りじゃなく協力して面白いことをやっていけるパートナーができたのだから。レーベル名は『ZOMBIE FOREVER』にしようかと思ってる、と打ち明けると爆笑して「いいね!」と言ってくれた。コンセプトもバッチリ一致した。そっからゾンフォーが始まったわけで現時点で主催イベントを47回もして今に至る...。

そんなhokousyaの音楽を人一倍広めたいと思ってるのは間違いなく自分であるからに、やっと出せることになったベストとも言える1st albumが今回。出そう出そうとうるさく言っても一向に動こうとしなかった鈴木も、どうやらやっと折れてくれたみたいだ(おせーよ)。出会った当時の曲から新曲まで、彼の歩いてきた道のりを感じることができる一枚となった。もちろん振り返ればウンコやらダンボールやらお菓子やら酒やらがどっさり落っこちているに違いないが。


▼ゾンフォー森(Qurage)がhokousyaの本質に迫る

『ゾンフォー森(Qurage)がhokosuyaの本質に迫る』編です。hokousyaを知らない人、まっさらな状態という条件の上でアルバムを聴いた感想です。

hokousyaってのは人間の歩行者なのか?って思って聴くのと、Qurageってのは海のクラゲなのかって思って聴くのは同じで、日本語っていう響きだけで日本のサウンドを想像させてしまう先入観が先にある。

まず、アルバムはすべて歌なしのインスト。ギター、バックトラック、アンビエントで構成されている。基本トラックがなったあとにアコースティックギター or エレキギターの基本メロを反復して乗せていく演奏。そしてアンビエントが曲の雰囲気を持っていく感じ。

とてもシンプルで本を読みながらでも聴けるというのも大事な要素。まーだけど彼を知らなくても笑ってしまうのは、雨の音(でしょ?)がなぜか便所の音に聴こえるってのと、ナイスなメロディーの裏にも遊び心を忘れてないってとこ。ラジオから抜き取ったサンプリングや時代の背景を風刺する言葉などが無意識調に埋め込めれている。チャンプロード系の声も入っている。

アルバムは少し長過ぎるってくらいのボリュームがある。車で聴いてるとウトウトしてしまうことも度々ある。だけどそれは退屈なんじゃなくて何か落ち着ける薬でも飲まされたような感じ。プラスプラスじゃないし、ポジティブポジティブじゃない、負のオーラが溢れているからこその安心感がそこにある。少し、自分が駄目なことをしてるんじゃないかって思うときのアレと似ている。

似ている音楽で説明するのは難しい。エレクトロニカ、音響、実験音楽、ノイズにも近しいけども....。竹村延和さんが主宰するChildisc系をエレクトリックにした感じに近いのかなー。初めて聴いたとき、ちょうど竹村延和さんのScience Fictionを聴いていたからかリンクしたのを覚えている(↓)



でも鈴木にそれを聞くと「そーゆーのいらない」って言うのよあいつ。まじむかつくぜ。それはいいとしてhokousyaをエレクトロニカと断言できないのは、彼が自分の手で少しリズムがズレることのあるギターを弾いているという点で、ひとりだけどバンドっぽくもあるし生っぽいってのが強く残るからかもしれない。

聴いた人によって捉え方は違うので、色んな意見があってほしいですね。で、気になった人は鈴木にコンタクトとってみてください。よろしくお願いします。
◎hokousyaの購入方法

最後、僕がhokousyaを生で見て一番かっこいいと思ったときのライブ映像です。
石田直樹さんが主宰していた京都の『ねこやなぎ』でのギグ。
このライブを見たあと「もうhokousya見ねくていーは」って思いました。
まあ、また見ましたけどね。



【COLUMN】ゾンフォーコラム5月号 / 投稿者 : ゾンフォー森_e0108705_916772.jpg☆ZOMBIE FOREVERより完全受注生産にて発売中購入はこちらから


歩行者こと鈴木が生きているチープでドープな現実社会より。
大舞台が最も似合わない孤高の音楽は手を差し伸べてくれた人にだけ届けられる。
ひきこもりでも、ニートでも、大金持ちでも、EXILEでも、TUBEでも誰でもOK。
彼にとっては一枚だけでもミリオンセラー。
こんだけ買ってくれって言わなくてもいいリリースは初めてだし、
俺が誰よりも早く買うつもりだったアルバム。

by ZOMBIE FOREVER 森(QURAGE)
by mori-koji | 2012-05-07 08:25 | ZOMBIE COLUMN

ゾンフォー最前線


by mori-koji